稲刈り後の
わらを燃やすと煙で苦情が出るし、そのまま土に鋤き込んでも、春まで腐らず残るから、本当に困るんですよね。
そこで、稲わらを早く腐らせる方法を調べた所「石灰窒素」が良い!という結論にたどり着きました。
稲わらをどう処理するかという問題
稲をコンバインで刈り取るようになって、わらは短くカットされて田んぼに残るようになりました。
刈干しが主流だった大昔は、長いまま残るわらで縄を作ったり、わらじを編んだりしたんでしょうけど、今はそんなに需要がないので、残されたわらは単純に厄介者です……。
と言うのも、秋から冬に田んぼに鋤き込んでも、寒いから春までに分解されることはなく、代かきや田植えの時にガスが発生(ガスわき)したり、水面にわらが浮いて(浮きわら)苗の生育を妨害したりします。
『分解できないなら燃やして灰にすればいいじゃん』と、わらを燃やす『野焼き』をやろうとしても、煙で近隣から苦情が出たり、地区によっては条例で野焼きが禁止されていたりして、八方塞がりです。
……私は中山間地域という山奥で田んぼを作っているんですが、田んぼの近くに民家があるので、野焼きや農薬散布にはかなり気を使います。 煙って窓を締めていても匂いが入ってくるし、洗濯物に匂いがついたりするからね……。
そんなわけで私の場合、稲刈り後と春の間に1~2回田んぼを耕しますが、わらと根っこ(株)が分解されず毎年残っています。その度に「なんか良い方法はないのかな……」と悩んでいました。
稲わらを分解するには微生物や酵素の力が必要
稲わらを分解するには微生物や、酵素の力が必要なんだって。(微生物が酵素を使用して分解するってこと)
微生物が活動することでわらを分解するのだけど、稲刈り後はすぐに寒い冬になるので微生物ちゃんも寒くて活発に動かない。つまり、稲わらは分解されないまま……。
そんなわけでネットで色々調べたところ、 微生物を活発に活動させるための肥料や、分解促進剤というのがあることを知った。
稲わらの分解を促進する肥料・促進剤2種
稲わら分解促進剤:アグリ革命
個人的にはこの商品が超よさそうなので!メッチャほしい。
稲作の収穫後、発生する稲わらは、耕地の中に入れて土に還そうとしても、収穫後は季節が冬になるため、気温や土中の温度が低くて分解が進まず、還元に長い時間がかかるという問題があります。そこでメニコンが独自に開発した、植物繊維の分解に大きな力を発揮する酵素を、稲わらの分解に利用した製品が、『アグリ革命』です。
https://www.menicon.co.jp/company/enzyme/01/
従来の微生物資材の稲わら分解材の場合、土壌環境によって分解効果が異なりますが、『アグリ革命』は酵素資材のため土壌環境に影響を受けません。
https://www.menicon.co.jp/company/enzyme/01/
冬は寒いから微生物が活発に動かないので、わらの分解が進まないらしい。これは、実体験として十分わかっている。
そんなわけで個人的にはこの商品を激推ししたい所だけど、JAだけの取扱でホームセンター等の量販店では販売されていない。つまり、手に入りづらい。しかも、すべてのJAが取り扱っているわけでは無いみたい。
それにしても、コンタクトレンズのメニコンが農業資材作ってるって不思議。
石灰窒素:ペルカ
アグリ革命を手に入れる方法が無いことがわかったので、別の方法を探した所『石灰窒素』というもの、稲わらの分解や、生育に良いということがわかった。
仕組みとしては『腐敗の進みだしたものに窒素が加わると、優れたバクテリアが増殖するか』らしい。
稲わらを土中で堆肥化する ことが可能で、堆肥同等の貴重な地力涵養資源として活 用することができます)。このような石灰窒素による稲 わら腐熟技術は、収量・品質向上の面で、堆肥施用と同 等の効果があることが、各県の試験場および生産者で実 証されています。
http://www.cacn.jp/technology/dayori_pdf/149_cont06.pdf
上記PDF(別のサイト)によると、石灰窒素を散布して耕すと、単純にわらを鋤き込んだだけの時や、わらを焼却した場合に比べて収量・品質がアップするとのこと。堆肥を与えたときと変わらないくらいに!
そんなわけで、先程『アグリ革命』を取り扱っていなかったJAに『石灰窒素』があるか問い合わせたところ、こちらは在庫があったので買ってきました!
比較的手に入りやすい『石灰窒素』がオススメ
アグリ革命と違って、石灰窒素はJAで手に入るし、Amazonや楽天市場などのネットショップで購入することができます。お手軽。
ちなみに、私が購入した石灰窒素『ペルカ』は、こんなパッケージ↓
水木しげる先生が描いたかのような謎のキャラクターが妙に気になる……。
私は散布しやすい粒状のものを購入した。 名前に『石灰』とついているから白いのかと思ったら意に反して黒かった。散布してもすぐにどこに撒いたのかわからなくなる仕様。
とりあえず、散布して耕してみたけれど、半年待たないと結果がわからないので、期待しながら待つことにする。
情報を信じるならば、散布しないよりも散布したほうが圧倒的に結果が良いのでね。